W家を訪ねると、まず温かみと重厚感を兼ね備えたレンガ積みの外観に目を奪われます。落ち着いた色調と素材感のレンガは、長く愛し続けられる普遍の美しさがあり、どこか頼もしさも感じさせます。
　家の中心は１階のＬＤＫ。部屋が四角形ではないことや、一部吹き抜けがあり天井高が均一でないことで、空間に独特の広がりと立体感が生まれました。大きな窓からの眺めもＬＤＫに変化を与えてくれます。キッチン、ダイニング、リビング…。場所によって雰囲気も屋外の景色も大きく変わり、居心地が違うのが魅力です。
　W家には、11歳、９歳、５歳の、３人の男の子がいます。有り余る元気を受け止めるために、さまざまな工夫がされていました。リビングには天井から吊るしたブランコのような椅子。子ども部屋には、ロフトに上がる縄はしごがあり、壁をよじ登れるようにハンドルが付いています。お風呂にはテラスに向かうドアがあり、外遊びから帰って足を洗ってから家の中に入れるようになっています。天然素材のフローリングや塗り壁も、男の子たちの健やかな成長を静かに支えているようです。
　家づくりをリードしたのは奥さま。「家族が集まるリビング」、「２階の気配が伝わるリビング階段」、「窓は大きく」、「真四角じゃない家がいい」などの希望を伝え、形にしてもらいました。「好き放題の希望が、素敵な図面にまとまっていて感激でした。細かい素材まで自分の好みで決めさせてもらったり、長い時間迷ったりもしたのですが、ずっと付き合っていただきました」と、家づくりのパートナーとなった山倉建設にも大満足の様子。これからレンガの外壁が味わいを増していくように、さらに笑顔の似合う家に育っていきそうなW家でした。