お子さんの就学までにと、土地を探して1年。里山を臨む静かな住宅街でご夫婦の家づくりが始まりました。共働きで忙しく過ごすおふたりの希望は、生活動線がシンプルで掃除しやすい平屋。そこにさりげなく和の要素も加え、趣ある一棟が完成しました。
昔ながらの切妻屋根と漆黒の焼杉が美しい外観には、白洲そとん壁がやさしい表情をプラス。どこか親しみとやすらぎを感じる佇まいです。「実家が杉板の外壁で、風合いも耐久性も長けていました。伝統手法にはメリットが多いことを知り、構造や性能についても調べて取り入れたんです」と、頼もしいご主人。切妻は雨漏りしにくく、焼杉やシラスはメンテナンス面でも優秀。無垢の床や突板を使った造作など、屋内にも天然木の温もりと快適さを盛り込みました。また、フラットなフロアはロボット掃除機が大活躍し、水回りは動線と使い勝手を考慮したゆとりある広さに。家事の効率が上がった分、家族で過ごす時間が増えました。
今は土だけの庭にも、植樹と飛び石を施す予定だとか。深い軒の外に広がるリビングからの眺めは、子育て世代の毎日をきっと癒してくれます。
調湿性の高い自然素材シラスを使った白洲そとん壁は、サイディングにはない温かみある風合いが。家族の暮らしをやさしく見守ってくれます。
オークの無垢床がやさしい印象のLDK。キッチンカウンターとワークスペースはタモ材を使った造作です。夏の日差しを避け、冬ののびやかな光を届ける深い軒で心地いい窓辺ができ上がりました。
土間収納を備えた玄関はスッキリ広々。リビングドアはほんのり明かりが漏れる格子戸に。ハイドアにすることで開口部も広がり、限られた空間でも狭さを感じません。
「実家では畳中心の暮らしだったから、新居にも和室が欲しかった」というご夫婦。お子さんのよき遊び場にもなっています。
リビングと同じく無垢床が気持ちいい子ども部屋。今は大好きな電車の本や玩具でにぎわっていますが、造作のデスクや本棚が活躍する日ももうすぐです。
クローゼットを備えた書斎は、自分の持ち物は自分で管理したいというご主人のプライベートルームにも。
ランドリーの可動棚と大きな鏡付きの洗面台兼ドレッサーは造作。将来的な暮らしを見据え、水回りの動線やトイレは車椅子でも利用できるゆとりを確保しています。
焼杉は、3枚の杉板を三角形に束ねて炭化させる伝統手法「三角焼き」を採用。長野県から取り寄せたこだわりの焼杉です。