43年前の祝儀袋に込められた母の教え
2025年1月10日
正月休みから、片付けにハマっています山倉です。
思い切って色々と整理していると、小学生の時の日記や思い出の品が出るわ出るわ……。懐かしさに浸りながら進めています。
その中に、大切に保管していた一つの祝儀袋がありました。遡ること43年前のことです。
当時、私は独立したばかりで資金繰りに行き詰まり、どうしてもお金が必要になり、母に借金を頼んだことがありました。しかし、母は何も言わず、首を縦に振りませんでした。高校を卒業して大阪で住み込みの仕事をしていた頃、わずかな給料の中から仕送りをしていたこともあり、「絶対に貸してくれるはずだ」と思い込んでいました。けれど、いくら頼んでも貸してもらえず、その時の私は母を逆恨みしてしまったのです。その後、母に会うこともなく半年が過ぎていきました。
そんなある日、突然母がやってきて、この祝儀袋を私に手渡しました。袋の中には、半年前に必要だった金額が入っていました。
母はこう言いました。
「あの時お金を貸してしまったら、お金のありがたみを分からないままやろ」
母の言葉を聞いた瞬間、厳しさの中にある深い愛情を感じました。冷たさと厳しさの違い、そして本当に大切なことを教えてくれた母の姿勢に、ただただ頭が下がる思いでした。
親の心子知らずとはこのことですね。母のような大きな存在には到底及びませんが、あの時の教えを心に刻みながら、今も仕事に向き合っています。
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